各メーカーからいろいろな製品が出ております。当院では、月に1回、食べるタイプであればクッキーくらいの硬さ、ドライフードくらいの硬さのチュアブルタイプを取り揃えております。背中に液体を塗布するタイプがご希望であれば取寄せますのでお気軽にご相談ください。
フィラリア予防薬は実際は駆虫薬になります。蚊に刺されることで子虫が体内に侵入してきますが、体内で成虫になるまでに時間が必要になるため、成虫になる前の子虫を予防薬を飲ませることで駆虫しています。成虫になってしまうと駆虫が難しくなります。
当院では月に1回、計7回(5/20~11/20)の予防をお勧めしております。うっかりと途中の月からの予防を始めた場合は最終の投薬が11/20以降になるように処方しております。
予防薬をワンちゃんに飲ませたつもりでも、吐き出した薬を後日みつかることがあります。また、アメリカの方では一部の予防薬に対して耐性をもつフィラリアも出てきております。
体内にフィラリアの子虫が多くいる場合にフィラリア予防薬をのませると、子虫が一気に駆虫されることで、ショック症状を起こし、そのまま亡くなってしまうこともあります。そのため、毎年シーズン前に検査をしてフィラリがいないことを確認しましょう。
尚、検査には採血が必要となります。費用面、来院の手間、繊細なワンちゃんの場合は精神面での負担が少なくなりますので、同時に健診を兼ねて、腎臓・肝臓の数値を中心としたお気軽コース、術前検査と同等のしっかりコースもお勧めしております。
検査なしに投薬できるケースは冬生まれで初めての春を迎えるワンちゃんや1年予防効果を持続する注射をされている場合となります。
陽性と診断されて初めての予防薬投与の際は、ショック症状を起こさないようにステロイドのお薬と子虫が肺の細い血管の栓子となり、続発性に肺炎を起こすこともあるので抗生剤がしばらくの間必要となります。最初の予防薬を飲んで何事もなければ、フィラリアの成虫が繁殖能力をなくすまで、生まれてくる子虫を予防薬で駆虫し続けます。実際はいつ繁殖能力を失うかはわかりませんので、フィラリア抗原検査が陰性になるまでとなります。長ければ4~5年かかることもあります。
また、成虫が体内で死んでも、死体が溶けて無くならず、石灰化により体内の中で隔離されたような状態になり残り続けます。そのため、心臓病となるため、経過観察は注意が必要です。
ネコちゃんも蚊に吸血されることで子虫に感染しますが、子虫から成虫になる前に免疫により駆虫さることが多く、ワンちゃんと大きな違いは成虫が新たに体内内で子虫を生まないといわれています。しかし、免疫をかいくぐった成虫が寄生する場所によっては心臓病へとつながるケースもあります。当院では背中に液体を塗布するタイプで、ノミ・マダニ・フィラリア・一部消化器寄生虫を予防できますので、お気軽にご相談ください。
・「完全室内飼いで家で蚊帳と蚊取り線香、蚊を忌避する製品で予防されている」
リスクは減る可能性はありますが、家の中でも高さや場所といった生活圏の違いもあるため、それらを搔い潜る可能性もあり、実際にフィラリアに罹ってしまったワンちゃんもいるので予防が必要です。
・「高層階に住んでいるので蚊はいない」
窓を開けた時の蚊の出入りは少ないでしょうが、エントランスより入ってきた場合、衣服に付着して入ってくることもありますので、予防が必要です。